群馬県内には、27地域、7645ヘクタールが自然環境の保全を図り、次の世代に引き継いでいくために、自然公園法や文化財保護法などとともに自然環境保全法が制定されています。
その中の一つである「王領地の森」は、近世に「梛(なぎ)の御林(おばやし)」とよばれ、幕府指定の保護地区として水源かん養上からも重視された地域の中心でした。
その御領地を王領地とよぶようになった歴史的にもゆかりのある地です。
区域内には、樹齢100年を越すハルニレ、カツラ、ミズナラを中心に、すぐれた天然林を形成し、樹下には豊富な種類の草本層が分布しています。
この森は、植物社会の移り変わりの最後の安定した状態を保持しており、学術的にも貴重な地域です。小滝川の水源地にも当たり、天然林とあいまって、ほ乳類をはじめ鳥類や両生類など多様な種が生息しています。
群馬県では、この地域を「自然環境保全地域」に指定し、この自然環境を永く子孫に伝えるよう、呼びかけています。